年金生活者にベアはありません

消費増税を目前にして年金生活者は(2014.3.15)
 

 先日も書きましたが、今日の新聞には「ベアしのぐ物価上昇」という記事が出ています。記事の冒頭に、「月給が上がって安心感は増すけど、4月には消費増税もある。生活はそんなに変わらないかも」という主婦の言葉が出ています。

 この方の考えを批判するわけではありませんが、現実は「変わらない」ではなく「厳しくなる」と私は思っています。何回も書いていますが、家計費が200万の人は、増税分3%で年6万円負担が増えます。

 一方仮に経営者側が2000円のアップを認めたとしても年間で24000円しか給料は上がりません。差額の36000円がボーナスアップで約束されていれば、とりあえず家計は現状維持となりますが、給料もボーナスもアップするという優良な会社がどの程度あるのか

 憶測でものを書いてはいけないと思いますが、大手の優良企業がベア数千円で、ボーナスも僅かに上昇するということでしょうから、それ以外の企業は上がればラッキーぐらいなのかもしれません。

 実際企業全体のベア率は、この記事に0.5%程度と書かれていますから、大方の家庭の家計は、今まで通りの支出なら赤字に転落ということになりそうです。

 また春闘がクローズアップされてあまり話題になっていませんが、年金はアップどころか減額が決まっていますから、これまで通りの生活では間違いなく赤字転落です。

 収支を改善するためには収入を増やすか、支出を減らすしかないわけですが、私ぐらいの年代ならともかく75歳以上の方に働いて収入を増やせというのも酷な話しだと思います。

 必然的に生活費を削るしかないわけです。仮に一人暮らしで切りつめた生活を送って、生活費が年間100万だった人がいると、消費増税による負担増は3万円です。

 従って一ヶ月83000円で暮らしていた人は80500円で生活しないといけないと言うことになります。早期退職後家計簿を付けているので実感できますが、月々の出費を前月より数千円減らすということは、全体の額が少なければ少ないほど困難になります。

 つまりもうこれ以上削れないという我慢の生活を強いられている中で、さらに我慢または節約しろということですから、その削減幅には限界があるということです。

 とはいうものの、この方達またはこの方達の配偶者が昔納めた年金額より、遥かに多くの年金額を今現在受給していることも確かです。

 ですから年金額が少ない、減らすなという言い分も、若い方にっとっては我が儘に聞こえてしまうかもしれません。しかしこれもまた少子高齢化に伴う年金制度の歪みの一つではないかなと思われます。

 たった3%の消費増税の影響がいかに大きいか。実施時期が近づくに連れ、その負担感が徐々に浸透してきたように思われます。
  
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